タニシのばぶ
私一人、派遣状態で毎日さびしく仕事をしています。
現場を巡視していましたら、水の干上がったコンクリート水路につぶの揃った小石がちりばめられていました。
なんだろ‥と水路に下りて拾いあげてみると、2cmほどのタニシでした。
もうカラカラに乾いています。
さすがに死んじゃってるかなぁ‥と思いましたが、とりあえず目に付くタニシは拾い集めて水のある用水路に流してあげました。
3つばかりポケットに入れて持ち帰り、現場事務所でコーヒーの空瓶に水をはり、ぽちょんぽちょんと入れて見ました。
すると、10分ほどしてカラカラの殻のフタが開き、むにゅ〜っとタニシが出てきました。
これは驚きです。いったいどれくらいの期間、乾燥に耐えられるのでしょうか。
ひとまず淋しい現場事務所で同居してもらうことにしました。
数日後‥
書類を作っていると机ね上の瓶から、コロンと小さな音が聞こえました。
ん?タニシでも落ちたかな‥と思い、瓶を見ましたがタニシは落ちていません。
よくよく見てみると瓶の底に5mmほどの小さいタニシのばぶがいました。
驚きです。どうやらタニシがばぶちゃんを産んだようです。
タニシってたまごで産むんじゃないんですね。なんだか不思議です。
瓶から取り出してよ〜く観察してみると、親とは違い若干模様があるようです。
うっすら透き通っていてかわいいです。
計測、撮影してからコーヒー瓶に帰してあげました。
が、コロンと言う音は聞こえませんでした。
ふわ〜‥っと落ちる感じです。
それじゃあの時聞こえた『コロン』はなんだったのでしょう。