不自然な自然

都市(現代)とは変な空間です。
自然の存在が不自然なのですから。

駅にあるMで、プレミアムなコーヒーを飲んでいましたら、1羽のハトが飛んで来ました。
そうしたら、テラス席に座っていた何人かの子供たちが、慌てて席を立ちました。
そしてそのハトが店内に入って来たのです。
歩いてですよ。ハトが歩いて人の足元を掻潜り店内に入って来たのです。
店内のお客さんは大騒ぎです。
慌てて店員さんがハトを追い立てます。
そしてハトは、また歩いて出て行きました。

なんてこってしょう。
ヒトがハトに怯えているのです。

都市では脳が作り出したもの以外は全て『不自然』なのです。

昨日は赤レンガ倉庫に行きました。
沢山のスズメが、わずかな植込みで何か啄んでいます。

ですが、横を人が通っても一向に逃げる様子がないのです。
これは『人と動物のシアワセで平和な関係』ではないのです。

もはやスズメには、人は野生ではなく、都市という檻の中にいる安全な生き物なのです。

私は試しに『食ってやるオーラ』をバリバリと出しながら近付いて見ました。
するとスズメは、私が一歩動いただけで、一斉に逃げて行きました。

なんだかちょっと安心した。
私はまだ『人間』として、自然から認めてもらった様な気がしたからです。
と同時に、ちょっとゾッとしました。
なぜなら、侵しな感覚になっていたのは、スズメやハトではなく、やはりヒトだったからです。

自然の存在が不自然なのか。
自然が存在しない事が不自然なのか。

地球という自然を間借りして都市を築く生き物として、考え直す必要がある様に思いました。