終戦記念日

1945年8月15日。それから62年が経ちました。そのとき、終らせたものは戦争だけだったのでしょうか。
戦後と呼ばれるニッポンが、平和を唱えてきたことは、私も知っています。
戦争のない世界、それこそが理想。
私も戦争は反対です。しかし、いつでもこの時期に流される報道、あらゆる番組は、その悲惨さばかりをクローズアップして、その頃の人々の芯にある心や思いを伝えきっていないと私は思うのです。
確かに、正常な精神状態では無かったでしょう。
しかし、芯(真)にあったもの、それは父を思い母を思い、君を思い故郷を思い、そして国を思う。
それこそが、戦う力だったはずです。
そのことは決して悪いことではないはず。
その心を利用した野心こそが憎まれるべきなのではないでしょうか。
戦争と共に、その精神までも終らせてはいないでしょうか。
我々が求めている『平和』は、果して命を捨てて戦って下さった方々の思い描いた未来なのでしょうか。
戦争を起こした悪しき野心は、形を変えて現在も息づいている気がしてなりません。
人を思う心、郷を思う心、それがあるならば、現在の暮らしが如何に利己に囚われたことか分かるはずです。
我々人間は、自然に戦いを挑んではいけない。
誰かの利のために自然を排除してはいけないのです。
その事を私は虫から教わりました。
如何に身の回りから自然を排除するか。それこそが現在の発展の証しとされています。
我々日本人は日本という自然があっての民です。
全ての自然を排除しきったとき、私達は日本という自然を侵略する侵略者になるという事に気付かなくてはなりません。
虫屋の視線から戦後を見てみれば、未だ戦後は終らず‥なのです。