難しい問題

今週のあたまに、F県へ行ったときに見掛けた看板である。
クワガタの里づくりをしているのに、採集禁止とは何と解釈してよいのやら・・。
生態系保護を訴えるなら、クワガタの里づくりは無理であろう。
村おこしにクワガタを利用するのなら、それは立派な経済活動である。
クワガタをめぐる「花見酒の経済」がそこにはある。
ならばクワガタを自然のものとせず、人工的に増殖する必要があろう。
それならば生態系の保護とは無縁なはずではないか。



私は、クワガタの里づくりには反対ではないが、それを掲げた採集禁止には賛成できない。
昨今の目に余る程の光量での灯火採集は、私もいささか敬遠してしまうが、灯火採集そのものに問題があるのではなく、採集者のモラルによるところが大きい。
どうやら、現地の宿泊施設等を利用すれば、灯火採集の許可が下りるようであるが、それでどれほどの経済効果を期待しているのか疑問である。
ならば、いっそのことナイターを張られそうなところは夏季限定で常設のナイターを設けて、30分ナニガシで料金を徴収した方がよいのではなかろうか。
そうすれば、ナイターのセットを持たない家族連れにも、等しくクワガタをゲットするチャンスがあるではないか。そこで屋台でも出せばいい。そもそも夜中の食糧事情のスコブル悪い地域でもあるから、客足は絶えないことだろう。
ちょうど正月に、有名な神社仏閣の周辺では田畑が臨時の有料駐車場に変わるあれと同じことだ。


真剣に生態系の保護を考えて採集を禁止し、尚且つクワガタの里づくりを進めるのであれば、ミニ尾瀬のような環境を作り、こども達に実際に森の中で、昆虫採集を体験させる必要もあるだろう。それが実際に経済に繋がるかどうかは、今後の日本の教育に左右される。
そしてクワガタによらず、昆虫全般の生息に適した環境であることは事実である。ならばクワガタの里づくりではなく、是非、昆虫の里づくりをして頂きたいものである。
何れにせよ、経済と生態系の保護を同じテーブルに乗せている内は、限りないジレンマに悩まされることだろう。