棚田

棚田のある風景とはなんとも言えず、こころが和むものだ。
この山あいの集落は、「棚田がある」と言うより「棚田しかない」のだが、それだけに手入れが行き届いている。
ここで取れる米をわざわざ遠くから買い付けにくる料亭も多いと聞く。
ほかの米が食えなくなるほど旨い米らしい。
しかし、その旨い米を有り難がっているのは、どうやら人間様だけのようだ。
これだけの環境に在りながら、イナゴが1頭も見当たらない。
トンボもいない。ヘビもカエルも見当たらない。
まだ冬眠している訳でもないだろう。
それだけ「薬」が使われているのだろう。
虫も食わない米がどれほど旨いのか。
飽食の時代の味覚なんて、所詮そんなものだ。